生命工学科 若山研究室  (発生工学研究センター)


 

   私たちの研究室メンバーは教員3名、特任助手1名、博士研究員1名からなります。当研究室は、山梨大学発生工学研究センター内にあり、ここで発生工学に関する様々な研究を行っています。 

   若山研究室では実験動物であるマウスを用いて、①体細胞クローン研究、②人工繁殖技術研究、③宇宙繁殖技術研究の3つを主要なテーマとして研究を行っています。これらのテーマにはマイクロマニュピレーターを用いた顕微操作技術が必要不可欠であり、当研究室には合計12セットのマイクロマニピュレーターが完備されています。これは研究室としては世界でも最大規模の設備であり、若山研究室最大の特徴でもあります。このマニピュレーターと世界屈指の技術を使って日々実験を行っています。

①体細胞クローン研究
   当研究室では世界で初めて体細胞クローンマウスを作ることに成功しました。体細胞クローンは皮膚などの細胞の核を卵子に注入することで生まれてきます。このため、同じ遺伝子を持った動物をたくさん作ることができるとても有用な技術です。クローンマウスの研究を基礎にこの技術を発展させることで、将来はマンモスなどの絶滅動物を復活させられるかもしれません。また、おいしい牛の体細胞を使ったクローン牛がたくさんつくれるようになれば、おいしい牛肉を安く食べられるようになるかもしれません。

左: マイクロマニピュレーターという顕微鏡に接続した人工腕を用いて、目では見えない卵子やもっと小さな体細胞を自在に操作することができます。

右:卵子に体細胞の核を注入しているところ。

 
②人工繁殖技術研究
   当研究室では、マイクロマニピュレーターで卵子の中に直接精子を入れて受精させる顕微授精技術や、精子や卵子などの生殖細胞の保存技術についても研究を行っています。例えば顕微授精技術を使うことで、正常な精子が少ない繁殖能力の低いマウスから子供を作ったり、成熟していない生殖細胞から子供を作ることができます。また私たちは精子をインスタントコーヒーのようにフリーズドライ状態にして、室温で長期間保存することにも成功しています。このフリーズドライ精子は水を加えて卵子に顕微授精することで正常なマウスになることができます。このように自然では子供になることができない状態の精子や卵子から子供を作り出す技術を研究することで、遺伝資源の保存やヒトの不妊治療に役立てたいと考えています。

③宇宙繁殖技術研究
   人類が宇宙で生活するようになる未来を見込み、宇宙で哺乳類が繁殖できるかを研究しています。現在、フリーズドライにしたマウス精子が宇宙に打ち上げられており、近い将来当研究室で世界初の宇宙精子由来のマウスを誕生させる予定です。

2013年8月4日にマウスのフリーズドライ精子(左)がH2Bロケットで打ち上げられ(右)、現在国際宇宙ステーションの実験棟「きぼう」内に保管されています。最長2年間の保管後に回収し、宇宙空間の様々な影響を調べます。

 

   若山研究室ではマイクロマニピュレーターに加えて、細胞培養や遺伝子工学実験設備を備えています。さらに細胞を様々な条件で選別するためのセルソーターや、体細胞や受精卵の中を生きたまま観察できるライブセルイメージングなどの最新の設備もあり、最先端の動物バイオテクノロジー実験を行うことが可能です。


夢のある楽しい研究をみなさんと一緒にできる日を楽しみにしています。

 若山研究室(発生工学研究センター)HP

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