希少放線菌(抗生物質生産菌)のゲノム解析プロジェクト

実施研究室:早川研究室、宇井研究室、東京大学、北里大学、
国立予防衛生研究所、企業2社、製品評価技術基盤機構

希少放線菌には、薬剤耐性菌MRSAに有効な抗生物質、免疫抑制剤、酵素(たとえばブドウ糖からフルクトースをつくる糖質変換酵素、リグニンやセルロースを成分とするバイオマスの分解酵素)などを生産する有用菌が多く含まれます。
希少放線菌のうちActinoplanes missouriensis(アクチノプラネス ミズーリエンシス)と命名された菌は特徴的な形態をしており、寒天培地上に胞子のうをつくり、その中に形成された胞子は、水中に浸ると、べん毛により運動性を示します。この胞子には化学走性があり、ブドウ糖などの栄養素に向かって泳いでいきます。この菌は抗生物質を生産するほか、糖質変換酵素などの有用酵素もつくることが知られています。しかし、各種の遺伝子やその働きに関する研究例はありません。
今回の共同研究では、A. missouriensisのDNAの全塩基配列を決定します。そして重要な遺伝子を見出してその機能を解析し、産業への応用を図ります。この研究プロジェクトにより、新しい医薬品や酵素の開発が期待されるとともに、地球上における微生物の進化と生態的役割の解明に関する研究が促進されます。
共同研究は生命工学科の早川研の他、NITE(製品評価技術基盤機構)、東京大学、北里大学、国立感染症研究所、さらに企業2社(メルシャン、長瀬産業)の教員、研究員が加わった総勢20名のプロジェクトチームで行われています。
下記に胞子のうと運動性胞子を形成する希少放線菌の電子顕微鏡写真を示します。平板培地上にこの希少放線菌菌を点状に接種し、全体に黄色ブドウ状球菌を接種して培養すると、希少放線菌の周囲でぶどう状球菌は生育することができません。希少放線菌が抗生物質を生産しているからです。
*「ゲノム(genome)」とは"gene(遺伝子)"と"chromosome(染色体)"を組み合わせた言葉で、生物のもつ遺伝子(遺伝情報)の全体を指す言葉です。

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