タイトル:第24回発生工学研究センターセミナー:根岸正彦先生「私の薬物語」

2017年09月11日|お知らせ

2017年(平成29年)9月5日(火) 14:00~15:30、S1号館S1-21講義室にて第24回発生工学研究センターセミナー/発生工学技術開発・実践特別教育プログラムを開催し、米国国立環境衛生研究所(NIEHS/NIH,ノースカロライナ州USA)の根岸正彦先生をお招きし、セミナーを行っていただきました。
100年以上にわたり、抗てんかん薬として処方されているフェノバルビタールは“使い続けると効かなくなる”耐性という現象を引き起こす薬の一つとして知られています。1960年初頭にフェノバルビタールがP450という代謝酵素を誘導することがわかりました。P450は肝臓における薬の吸収や代謝に重要な酵素です。人により同じ薬でも効き目が異なる、または毒にもなりうるといった症状は、一群の代謝酵素の発現と活性が人によりそれぞれ微妙に異なるためです。
根岸先生はフェノバルビタールがP450の発現を誘導する仕組みを50年以上にわたって詳しく調べ、フェノバルビタールが細胞の成長促進に重要なEGF(Epidermal Growth Factor; 上皮成長因子)というタンパク質に作用して、その活性を調節することで、核内受容体の一つであるCARタンパク質を活性化し、最終的にP450の発現を誘導する、その際、CARは核内受容体の一般的な活性化とは全く異なる新規の仕組みで活性化する、ことを明らかにしました。いずれも生体内で微量にしか存在しない、かつ多機能なタンパク質群が関わる複雑な現象であり、長きにわたる綿密なデータの積み重ね、執念、そして時には直感が揃って初めて為し得る研究です。
セミナーでは異なる分野で研究する学生/教員にも分かりやすいように、郷里の歴史なども交え、大変楽しい、最後まで飽きることのないトークを行って下さいました。ありがとうございました
 


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