卒業生からのメッセージ

内藤 利邦
オリエンタル酵母工業株式会社 代表取締役社長
発酵生産学科 昭和38年卒業

『発酵そしてバイオ』
40年前、全国から集まった紅顔の美少年たちは40年を経てグレーヘアになったが、あの4年間はますます鮮明さを増す。
山梨大学工学部発酵生産学科、国立大学で数少ない工学部系発酵専攻学科として、私が入学したのは3回生であった。新興学科としての興奮と未完成さとを重ね備えていたように思う。
アセトンブタノール発酵の権威六所文三先生をはじめアミノ酸発酵の多田先生、応用微生物の小原先生、ワイン発酵の横塚先生など権威と気鋭の教授陣を擁し意気あがる学科であり、工学部でも異色の学科であった。
例年6月の学園祭は酒の神バッカスを擁し、河童の出で立ちで甲府の街を練り歩き、イベントでの「カッパ」は人気の的であった。その売り上げは学園祭打ち上げの資金源でもあった。武田節をもじった「酒田節」は2回生の望月先輩の作詞と聞くが、今でも梨酵会のフィナーレで大合唱を飾る。
巷、発酵はバイオと呼び名を変えてはいるが、政府のバイオ産業国家戦略大綱の策定でも明らかなように、これからの日本を支える重要産業に育ちつつある。
縁あってオリエンタル発酵に入社し、ハッと気がつけば40年の馬齢を重ねているが、継続してその周辺を徘徊している幸運を得ている。
ワトソン・クリックによって「DNA二重らせん構造」が発見されたのが1958年、このころ梨大発酵が誕生したのも不思議な縁かもしれない。
山梨大学工学部が創立80周年を迎えられたことをお祝い申し上げるとともに、科学技術の進歩が我々に与えるインパクトの大きさを改めて認識し、母校の更なる貢献を祈念する次第である。

(2004.9 工学部創立80周年記念誌寄稿)

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