卒業生からのメッセージ

山下(旧姓:新井) さやか
山梨大学 生命環境学部 助教
物質・生命工学科 平成16年卒業
修士平成18年修了
博士平成21年修了

『梨大卒、スウェーデン経由』
   2000年に山梨大学の工学部に入学し、現在の生命工学科の前身である物質・生命工学科で学びました。その後、工学系の修士課程に進み、さらに医学系の博士課程を修了しました。博士の学位取得後は、スウェーデンのルンド大学の研究所へポスドクとして渡りました。
   スウェーデンは皆さんもご存知のように北欧、日照時間の少ない土地です。私のいたところはスウェーデンのマルメという都市。そこはスウェーデンでは南端とはいえ、やっぱり寒いし、日照時間は冬に向けてどんどん短くなり、真冬は出勤する時も帰宅する時も真っ暗でした。研究所のメンバーは世界中から集まってはいましたが、公用語は基本、スウェーデン語。私もスウェーデン語を習いながら研究をさせてもらいました。研究対象は1型糖尿病。北欧では世界中で最も発症率の高い病気です。日本では習ったことの無い新しい手法を教えてもらったり、勉強したりしながら研究生活を続けました。
   とにかく初めの年は日光を浴びられないことや、北欧という土地柄新鮮な野菜が食べられないことがかなりストレスになりました。日本という国がどんなに恵まれているか、身をもって体験しました。
   研究所の仕事の雰囲気は日本とはかなり違う印象を受けました。残業はしない。冬は早く帰る。長期休みは本当に長期。3〜4週間は休んで家族と過ごす。これがスウェーデン人。とにかく家族を大事にする国柄で、研究所に生まれたての子どもを連れてくるママ研究者も沢山いました。あと、女性が本当に多いんです。たぶん7、8割は女性だったような印象です。また、研究所には沢山のラボがある訳ですが、それぞれが非常にオープン。部屋の壁もドアも全てガラス張りで見通しが良いデザインということもあると思うのですが、とにかくオープン。そして、Fickaの時間にはラボの境を超えて、研究のこと家族のことを和気あいあいとおしゃべりするのです。(Fickaとはスウェーデンの習慣で午前と午後に一回ずつあるティータイム。この時間にはみんな仕事の手を休めてティータイムを楽しみます。)
 
   さて、現在私は山梨大学生命環境学部の教員として働いています。工学部卒の私ですが糖尿病を対象に研究をし、スウェーデン経由でまた山梨大学に戻って今度は栄養学研究室の教員、というちょっと一風変わった経歴を持つことになりました。高校生の皆さんは特に、この学科に入ったらこういう職業に、とかこういう研究、というふうに考えがちだと思います。でもそれは実は全く違っていて、世の中の全ての事象は繋がっている訳で、繋がっているからには、たとえ工学部に入って勉強したって、その先が工学かと言えばそうではなく、その先は自分でまたどんどん選択してゆくものなのです。「その選択をするために大学で学ぶ」と考えたら良いのかもしれません。研究をしていれば「一風変わった、、、」なんて実は当たり前なんじゃないかなと思います。
   山梨大学では工学部と医学部のボーダーレスに始まり、学科ごとの垣根を越えた選択肢を与えてくれる大学へと変遷を遂げています。自分の思いもしなかった分野への道が開ける可能性を楽しみませんか?

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