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凍結乾燥した精子を薄いシートで保存することに成功 ―ハガキで精子を送ることや1冊のアルバムでマウス系統の管理が可能に!―

 山梨大学大学院医工農学総合教育部の伊藤大裕大学院生、大学院総合研究部発生工学研究センターの若山照彦教授らの研究グループは、凍結乾燥したマウス精子を薄いプラスチックシートに挟んで保存することに初めて成功しました。本方法を用いれば、数百種類のマウス系統の精子をたった1冊のアルバムに収めて冷凍保存できるため、従来の液体窒素タンクを使った方法に比べマウス系統の管理が容易になります。また常温でも数日間は保存出来き、マウス精子をハガキで他の研究機関へ送ることにも成功しました。この成果はCellの姉妹紙、iScienceに8月5日(木)午前11時にオンライン掲載され、さらに、雑誌側が独自に行う海外プレスリリース論文にも選ばれました。

タイトル:Mailing viable mouse freeze-dried spermatozoa on postcards
(マウス凍結乾燥精子のハガキによる郵送)

本研究のポイント
○薄いプラスチックシートでマウスの凍結乾燥精子を保存する世界初の方法を開発した
○ポストに投函したハガキからマウスを作出することに初めて成功した
○数百種類の膨大なマウス系統を、実験にすぐに使えるインスタント精子の状態で、たった1冊のアルバムに保管できるようになった

 なお、本研究は海外でも注目されており、下記の複数のURLで本研究に関する記事が掲載されていますので、併せてご覧いただけますと幸いです。

https://www.the-scientist.com/news-opinion/freeze-dried-mouse-sperm-sent-by-postcard-produces-baby-mice-69062

https://www.inverse.com/science/sperm

https://www.vice.com/en/article/7kvqp9/sperm-on-a-postcard-breakthrough-opens-door-to-massive-sperm-books

 詳細は、山梨大学HPのプレスリリース(下記)をご覧ください。