教員・研究室紹介

応用微生物学研究室

応用微生物学研究室

 

 

 

 

 

 


私たちの研究室は放線菌や酵母といった産業上、重要な微生物について環境中からの分離から遺伝子解析、育種、化合物の同定について研究を行っています。


放線菌
は抗生物質を作る微生物として知られており、未だに数多くの新種が自然界から分離されています。私たちは未知なる放線菌を自然界から分離する技術の開発を行い、製薬企業などとの共同研究の中から新規化合物を見つけてきました。また、放線菌の新しい利用方法を開拓すべく、水耕栽培において生長促進効果を有する放線菌の探索と機能解析を行っています。


放線菌の分離

 放線菌は、土壌や落ち葉、植物の根、海洋底泥など様々な環境中に存在します。本研究室では放線菌を環境中から選択的に分離する技術を開発しており、腐植酸―ビタミン培地(HV agar)や再水和遠心法(RC法)は世界的な放線菌の分離法として使われています。

 


放線菌の観察

土壌などの自然環境から分離した放線菌はコロニーを形成し、顕微鏡で観察を行います。新たに導入された顕微鏡(オリンパス 高精細ライブカメラ付光学顕微鏡 DP21&CX41)は、高精細で滑らかなライブ画像により放線菌の形態観察について学生と同じものを見ながら指導を行うことが出来ます。

 


放線菌の電子顕微鏡観察

より詳しい細胞形態を観察する場合は、電子顕微鏡で観察を行います。この写真は最近、導入された日本電子の汎用型電子顕微鏡(JSM-6010)で、タッチパネル採用により初心者でも直観的な操作が可能になっています。

 




放線菌からの抗生物質

分離した放線菌は固体又は液体培養し、その抗菌活性を測定します。さらに有望な菌株については、クロマトグラフィーやHPLCなどを用いた精製を行い、NMRなどを用いて構造を解析します。

 

 

 

 

 


酵母
は糖分をエタノールや炭酸ガス、香りの成分に効率良く変換できるため、パンやワイン、清酒、ビール等の製造に欠かせない、私たちの生活に最も身近な微生物の一つです。さらに近年では、地球温暖化の防止に有効なバイオマスからのエタノール生産や、医薬品の製造等にも用いられ、その重要性はますます大きくなっています。一方で、酵母は私たち人間と同じ真核生物であることから、モデル生物としても非常に有用です。

私たちは、酵母がパンやワインの製造やバイオエタノールの生産等、様々な特殊環境にどのように適応しているのかをDNAやタンパク質等の分子レベルで明らかにし、その仕組みを改良することで優れた酵母を育種するための研究、さらには酵母の新たな用途を開発するための研究を行っています。一方で、酵母を人間のモデルに見立てた研究も行っており、それらの成果を私たちの健康増進や老化防止に役立てることも目指しています。


酵母の遺伝子観察

有用な酵母を育種するため、様々な遺伝子やタンパク質の発現を観察する必要があります。高感度冷却CCDを搭載した化学発光(ケミルミ)撮影装置を用いることで遺伝子やタンパク質の発現をイメージ化することができます。

 

応用微生物学研究室は微生物の探索から遺伝子解析まで、幅広い研究スキルを習得することが出来ます。将来、私たちと一緒に研究しませんか?