学科の紹介

カリキュラム案内

カリキュラムと授業科目の紹介

 生命工学科は、最先端のバイオサイエンスを基盤に、高い創造力をもって未来のバイオ産業を担うことのできる人材を養成します。
 本学科では、分子生物学、生化学、細胞生理学といった生命科学の基礎を身につけるとともに発生工学や幹細胞生物学、応用微生物学、バイオインフォマティクスなどを始めとする最先端の生命科学・生命工学を学ぶことで、再生医療(ES細胞、クローン技術)、生殖補助医療(体外受精、発生工学)、食料生産・食品衛生(機能性食品、醸造、発酵工業)、健康増進(医薬品、有用微生物、化粧品、香料)、バイオエネルギー、環境保全などに関する新しい技術を創出する能力を身につけることができます。
 なお、本学科では令和2年度入学生から、指定単位を修得することにより、卒業時に食品衛生管理者および食品衛生監視員の任用資格が得られます。
 さらに、令和4年度からは医学・薬学の基礎知識をもちデータサイエンスのスキルを身に付けた生命科学系専門職業人の養成を目的に、生命科学・医学・薬学分野における数理・データサイエンス教育を行うバイオ・メディカルデータサイエンス特別コース(以下、BMDSコース)が新設されました。

 生命工学科およびBMDSコースでは上記の教育を実践するために、次のようなカリキュラムを組んでいます。

1年次

主に、全学共通教育科目として人間形成科目、語学教育科目、および教養教育科目を、専門基礎科目(学部共通科目および理系共通科目)として共生科学入門、生命環境基礎ゼミ、生物学概論、生命研究倫理学、生物資源実習、基礎数学、基礎数学演習、基礎解析学、基礎有機化学などの科目を履修します。また、生命工学の専門領域の知識を深めるための専門発展科目として、基礎生化学、基礎微生物学、生物分析化学などの科目を履修します。さらに、令和4年度からは専門発展科目に創薬概論と生命統計情報学が組み込まれました。

2年次

 1年次の希望や成績等に基づき、2年次への進級時にクラス分け(コース配属)が実施されます。約20名程度がBMDSコースに配属されます。なお、一般選抜(前期)、一般選抜(後期)、総合型選抜Ⅱ、私費外国人留学生入試のいずれの入試で入学された場合でも、BMDSコースへの配属対象となります。

生命工学科(BMDSコース以外)およびBMDSコースともに、全学共通教育科目、専門基礎科目(基礎統計学、基礎統計学演習など)、専門発展科目(細胞生理学、発生工学、分子生物学I・II、生物化学工学など)の講義科目を履修します。医学系の科目や食品・栄養学の科目も履修できます。BMDSコースではコースに特化されたデータサイエンスに関する授業科目も履修します。詳細は下記の生命工学科専門科目の表をご覧ください。

また、職業観を涵養するため企業・官公庁等で一定の期間、就業体験を行うインターンシップⅠ、Ⅱの専門特別科目を履修することもできます。

3年次

専門発展科目の講義科目として、生命工学科(BMDSコース以外)とBMDSコースのそれぞれの特色に合わせた授業科目を履修します。食品・栄養学の科目も履修できます。BMDSコースの学生さんのみ、生命工学データサイエンス、大規模生命情報解析学、および実践バイオ・メディカルデータサイエンスの科目を履修することができます。詳細は下記の生命工学科専門科目の表をご覧ください。実験・実習科目として、化学実験、生化学実験、微生物学実験、分子生物学実験、細胞生物学実験、発生工学実験、および生命工学研究室実習を履修します。実験科目に多くの時間をかけ、実際に手を動かして生命現象を自分の目でみて考えることを大切にしています。

また、専門特別科目として、生命工学に関連した様々な分野における最先端の知識などを身に付けるための特別講義Ⅰ、Ⅱ、Ⅲや、職業観を涵養するため企業・官公庁等で一定の期間、就業体験を行うインターンシップⅠ、Ⅱの科目を履修することもできます。

4年次

主に、専門特別科目としての生命工学卒業論文、科学英語演習Ⅰ、Ⅱを履修します。卒業論文のために研究室に配属され、生殖に関する研究、動物の発生原理の解明、微生物の応用研究、遺伝資源確保の新手法の開発、創薬、食料及び再生可能エネルギーの確保等の専門分野の研究を行います。それまでに修得した基礎知識・技術を駆使して各課題に取組むことによって、創造性の高い課題解決能力を身につけます。なお、BMDSコース配属学生のうち、5名程度の学生は、医学部の研究室で卒業研究を行うことが可能となります。*1 医学部で卒業研究を行うことで、より医療分野に習熟できることが期待されます。なお、医学部研究室では、アレルギー、脳・眼疾患とグリア、シナプス可塑性、脳情報動態、高次脳機能 などに関する卒業研究を行うことができる予定です。

また、生命工学に関連した様々な分野における最先端の知識などを身に付けるための特別講義Ⅱの専門特別科目を履修することもできます。
 
*1:生命環境学部生命工学科の学生として卒業研究を行います。

生命工学科専門科目

生命工学科の令和4年度入学生の専門科目を下記に示します。1年次の希望や成績等に基づき、2年次への進級時にクラス分け(コース配属)が実施されます。約20名程度がBMDSコースに配属されます*2 なお、これらの専門科目の他に、全学共通教育科目(人間形成科目、語学教育科目、教養教育科目)も履修します。

*2:一般選抜(前期)、一般選抜(後期)、総合型選抜Ⅱ、私費外国人留学生入試のいずれの入試で入学された場合でも、BMDSコースへの配属対象となります。

部門 系列 授業科目の名称 *3 配当年次 単位数 *4
必修 選択
専門基礎科目 学部共通科目 共生科学入門 1前 2  
生命環境基礎ゼミ 1前 2  
社会科学入門 1前   2
生物学概論 1前 2  
生命研究倫理学 1後 1  
生物資源実習 1後 1  
食物科学入門 1後   2
環境科学概論 1後   2
生物資源論 2前   2
基礎統計学 2前   2
基礎統計学演習 2前   2
理系共通科目 基礎数学 1前 2  
基礎数学演習 1前 2  
基礎環境化学 1前   2
基礎解析学 1後 2  
基礎有機化学 1後 2  
基礎物理学 2前   2
専門発展科目 基礎生化学 1後 2  
生物分析化学 1後   2
基礎微生物学 1後 2  
創薬概論 1後 1  
生物有機化学 2後 2(BT) *5 2(DS)
動物解剖生理学 2前 2(DS) 2(BT)
細胞生理学 2前 2  
発生工学 2後 2  
応用微生物学I 2前 2(BT) 2(DS)
応用微生物学II 2後 2(BT) *5 2(DS)
生化学I 2前 2(BT)  
生化学II 2後 2(BT)  
分子生物学I 2前 2  
分子生物学II 2後 2  
生物化学工学 2前 2  
構造生物学 2後 2(BT) *5 2(DS)
生命科学・医学のデータ解析基礎 2前 2(BT) *5・2(DS)  
生命工学データサイエンス 3前 2(DS)  
バイオインフォマティクス 3後 2(BT) *5・2(DS)  
技術英語 3前 2(BT) *5 2(DS)
分子発生・幹細胞生物学 3後 2(BT) *5 2(DS)
化学実験 3前 2  
生化学実験 3前 2  
微生物学実験 3前 2  
分子生物学実験 3前 2  
細胞生物学実験 3後 2  
発生工学実験 3後 2  
生命工学研究室実習 3後 1  
基礎免疫学 2前 1(DS) *6 1(BT)
基礎薬理学 2前 1(DS) *6 1(BT)
基礎神経生化学 2前 1(DS) *6 1(BT)
基礎神経生理学 2後 1(DS) *6 1(BT)
基礎人体生理学 2後 1(DS) *6 1(BT)
生命統計情報学 1後 2  
大規模生命情報解析学 3後 1(DS)  
実践バイオ・メディカルデータサイエンス 3通 2(DS)  
食品成分分析学 2前   2
食品製造学 2前   2
食品加工学 2後   2
基礎栄養学 2後   2
機能成分学 3前   2
栽培植物育種法 3前   2
発酵工業学 3前   2
食品微生物学 3前   2
農作物生理学 3前   2
応用栄養学 3前   2
農作物病理学 3後   2
食品衛生学 3後   2
地球科学 1後   2
経営学概論 4後   2
法律学概論 4後   2
専門特別科目 科学英語演習Ⅰ 4前 2  
科学英語演習Ⅱ 4後 2  
特別講義Ⅰ 3通   1
特別講義Ⅱ 3・4通   1
特別講義Ⅲ 3通   1
インターンシップⅠ 2・3通   1
インターンシップⅡ 2・3通   1
生命工学卒業論文 4通  6  
 小計(8科目)  –  10  5

*3:赤字の科目は、BMDSコースのみ履修可能です。

*4:(BT)、(DS)はそれぞれ生命工学科(BMDSコース以外)、BMDSコースの場合を示しています。

*5:選択必修科目で、生命工学科(BMDSコース以外)の学生さんは8単位以上修得する必要があります。

*6:選択必修科目で、BMDSコースの学生さんは3単位以上修得する必要があります。

なお、学生実験および卒業論文研究の様子は次の通りです。


【3年生学生実験】
午前中は専門発展科目を中心とした講義、午後は後期の中頃までは月曜日から金曜日まで全て学生実験になり、化学実験、生化学実験、微生物学実験、分子生物学実験、細胞生物学実験、および発生工学実験を履修します。

【4年生卒業論文研究】
各研究室に所属し、1年間かけて研究を行ない、卒業論文を完成させます。

【4年生卒業論文研究】
研究室では学生各々にデスクが与えられます。大学院(修士課程、博士課程)に進学する場合は多くの学生がそのまま研究室に残り、研究を発展させていきます。

【修士課程、博士課程】
研究が進展すると、学会で発表を行ないます。