受験生の皆さんへ

真柄 和典

卒業生からのメッセージ(真柄 和典さん)

 私は、現在IQVIAサービシーズジャパン株式会社という外資系CROで働いております。CROというと聞いたことがない方もおられると思いますが、製薬会社から治験を委託される会社のことです。その中で現在、私は新薬の臨床開発を行うCRA(モニター)という仕事を担当しています。IQVIAはCRO業界の​グローバル​リーディング​カンパニー​であり、世界的に期待されている新薬に携わることができるため日々やりがいを感じて仕事をしています。

 そんな私ですが、生命工学科に入学した当初は薬には全く興味がなく、入学のきっかけとなった発生工学になんとなく興味があっただけでしたが、4年生から在籍した胚環境研究室が人生のターニングポイントになりました。胚環境研究室では、マウスの胚に様々な薬剤を作用させ、その効果を調査するといった研究をしていますが、その薬剤は、がんや糖尿病治療薬に実際に使用されているものばかりで、3年間の研究を通じて、薬の可能性を知ることができ、今の仕事の業界に進むことを決めました。その中で、IQVIAという世界的な企業に入ることができたのは、ひとえに研究室で培った様々な経験によると感じています。生命工学科に入ると最低1年間は研究室に在籍することになりますが、研究室で学べることは皆さんが思っている以上に多彩で、ここでの経験はとても大切です。研究室は、小規模の会社のようなものです。先輩がいて、後輩がいて、上司がいて、ルールがあって、目指すべきGoalがあります。人数は少ないとはいえ、研究室で経験することは社会人になるにあたりとても重要なことばかりです。そして生命工学科の研究室に在籍したら、ただ在籍するのではなく、自分のストロングポイントを1つ作る努力をしてみてください。既に持っている人は、さらに強くし、また別のストロングポイントを作ることをおすすめします。このストロングポイントは、社会に出ると皆さんの武器になります。社会にでると多くの壁が待ち受けていますが、皆さんのその武器がそれを乗り越える手助けをしてくれます。今の私は、生命工学科で培ったこの武器のおかげで、日々の困難も乗り越えることができていると思いますし、何より現在このように世界的な薬の開発に携わることができていることもこの武器によると感じています。

 COVID-19が世界的に蔓延している状況ですが、こういう時だからこそ、ストロングポイント(武器)を作るチャンスです。ストロングポイントはいつ作ってもいいものですから、受験生や在学生の方もまずはトライ(挑戦)です。その中で、辛い時は周りに遠慮なく相談してください。生命工学科には、とても相談しやすい環境があり、自己成長のためにも生命工学科は良い選択肢の一つだと思います。生命工学科で学び、社会に必要な人材になっていってください。

 皆さんの成功を切に願っています。