受験生の皆さんへ

学科長からのメッセージ

受験生の皆様へ「ともに生命科学を学び挑戦しませんか」

 私たちの生きる現代の社会は科学技術の急速な進歩によって変貌を遂げる大きな潮流のただなかにあります。10年後、20年後の社会のありようを予想することはとても困難だと感じます。

 また、2019年の末に現れた新型コロナウイルスの世界的な蔓延は私たちの生活を大きく変えましたが、一方で生命科学の分野の専門用語であるPCRやゲノム解析、あるいは遺伝子の変異といった言葉が日常的にニュースに流れるようになり、最新の技術であるmRNAワクチンを7割以上の人が接種を受けるというように、最先端の生命科学の成果がこれに対抗する姿を目の当たりにしてもいます。

 生命科学の分野では体細胞クローニングやiPS細胞の樹立、ゲノム編集といった画期的な技術が次々と生まれるとともに、次世代シーケンサーによる大量のゲノム情報の取得など、大規模データを使った研究も急速に発展しています。この大きな流れは、これからの私たちの生活をさらに豊かなものへと変えていくための原動力です。若いみなさんの挑戦が生命科学のさらなる飛躍をもたらすと確信しています。

 私たち生命工学科では、これまでも学生の皆さんにバイオテクノロジーによって解決すべき課題を自らの力で見出し、それらの課題を高い創造性をもって解決できる能力を培っていただけるよう教育研究を行ってきました。これをさらに進めるため、発生工学や細胞生物学、微生物学といった柱に加えて、2022年度に生命科学分野のデータサイエンスや医学・薬学分野の基礎的教育を充実させるために「バイオ・メディカルデータサイエンス特別コース」を設置し、これに伴って学科の入学定員も35名から40名へと増やすことになりました。生命科学分野に特化したデータサイエンス教育を充実させるとともに、生命科学の教育研究をさらに進めるため、来年度に向けて生命工学科には新たな教員も加わる予定です。また本学医学部の先生方の授業を受けたり、医学部の研究室で卒業研究を行うことができるようになるなど、医学分野の基礎的な知識を学ぶこともできるようカリキュラムの充実を行いました(詳細はこちらをご覧ください)

 コロナ禍はいつ終息を迎えるか引き続き見通しのつきにくい状況ですが、豊かな自然に囲まれ東京からも近い本学は、学生生活を送るにあたっても研究に専念する上でもとても良い環境です。

 教員一同、ともに学ぶ意欲ある皆さんの入学を心からお待ちしています。

生命工学科 学科長 幸田 尚