受験生の皆さんへ

桑山 拡樹

『大学生活で得られたもの』

 私は現在、三菱商事ライフサイエンス株式会社の開発職に就き、主に菓子類や健康食品の開発に取り組んでおります。今回は私が大学生活を振り返って重要だと感じたことを二つご紹介させていただきます。

 第一に、目の前の課題にしっかりと取り組むことです。私は卒業論文および修士論文のテーマとして体細胞クローンマウスに関する研究を行っておりました。動物実験のため、餌やりやケージ交換などを毎日行う必要があり、また動物の日週リズムに合わせ実験する必要がありました。そのため、朝早くから実験を行い、昼に観察やデータ整理、指導教員との相談、夜に実験という生活を送っておりました。その結果、自分自身のテーマを学会で発表し、さらに国際誌に論文を発表する機会を得るなど貴重な経験をさせて頂きました。この経験が、その後の大きな自信につながりました。現在は食品開発という全く異なった分野で働いておりますが、学生時代に研究を通じて、指導教員や周りの先輩等に積極的に相談・質問すること、期限を守ること、得られた結果をまとめ報告する姿勢を身につけ習慣にできたことは異なる分野で働く今でも非常に役立っています。

 第二に、プライベートを充実させることです。私は高校から社会人になった現在までアメリカンフットボールを続けており、今でも毎週日曜日の一日だけですが、練習に取り組み、冬季に試合に参加しています。大学時代でも働いている現在でも、休みの日に身体を動かすことでリフレッシュでき、次の週からも集中して物事に取り組めます。もし今やりたい事がなかった場合、大学四年間でいろいろなことを試してみてください。そして自分自身が夢中になれることを見つけてください。睡眠で身体の疲れは回復するかもしれませんが、それ以上に心の疲れを回復させるためには夢中になれることが必要です。

 以上二つは、私自身が社会に出て山梨大学の学部および大学院生活の六年間を振り返った時に感じることです。人によって感じ方は異なるかもしれませんが、山梨大学生命工学科に入られたら自ら行動し、是非一生記憶に残る「思い出」や「学び」、「経験」が得られる大学生活にしてください。