資格・進路

海外国際学会参加報告:ニューヨークで開催された第46回IETSの年会に参加して

生命環境学専攻バイオサイエンスコース2年 真柄和典

私は、2020年1月16日から1月19日にかけてアメリカのニューヨークで開催されたInternational Embryo Technology Society (IETS 国際胚移植学会) 46th Annual Conferenceに参加しました。ニューヨークを訪れるのは初めてで学会に参加するのがとても楽しみでした。IETS は歴史ある国際学会の一つであり、繁殖学分野の基礎研究から応用研究まで幅広く研究発表が行われます。対象も家畜を中心に実験動物まで幅広く、世界中から著名な研究者が集まり講演が行われます。中でも今回はベックウィズ-ヴィーデマン症候群や大仔症候群の研究において著名なミズーリ大学のRivela博士によるウシ胚の生殖補助医療における現状についてエピジェネティックな観点からの講演がとても興味深く、大変勉強になりました。また、ポスター発表では22のトピックに分かれ231の研究発表が行われました(写真①)。

写真①ポスター発表、学会会場:学会はニューヨークヒルトンホテルで開催され、参加者数も会場の広さも大規模でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今回私自身は、ポスター発表としてマウスの受精卵をもちいて細胞内シグナルがクロマチン形成に果たす役割について研究発表を行いました(演題:Analysis of abnormal chromatin configuration induced by inhibiting MEK at 1-cell stage)。ポスター発表では、2時間ポスターの前で研究の説明やディスカッションを行いました(写真①)。私にとって2回目の国際学会でしたが、今回のような大規模な学会は初めてで最初はとても緊張しました。英語にそれほど自信のない私は、今回の学会に行くまでの数か月間、アメリカに住む親戚と英語でメールのやりとりをしたり、研究論文の投稿原稿を英語で書くなど英語の発表に向けて入念なトレーニングしてきました。その努力の甲斐があり、当日は多くの方々と思った以上にスムーズに英語でとても有意義なディスカッションを行うことができ、世界中の先生から多くの貴重な意見をいただくことができました。また、修士でこのような発表ができるのは素晴らしいと言っていただけるなど今回の学会参加および研究発表は、最先端の研究に直に触れられただけでなく、これから社会に出ていく私にとってとても大きな自信と励みとなる貴重な経験になりました。

 海外の学会では、観光や食事も楽しみの一つになります。今回は、定番の自由の女神やタイムズスクエア(写真②)、グランドセントラルステーション(写真③)、映画「ナイトミュージアム」の舞台となった自然史博物館(写真④)などを観光しました。特にこの博物館には、世界中の生物や文化についての模型や象などが幅広く展示されており、想像以上の規模で圧倒されました。さらに、食べ物に目がない私は有名なステーキハウスやオイスターバー(写真⑤)にも事前に調べて食べに行きました。期待通りとても美味しかったのですが、当然お店では英語しか通じないために、異国の緊張感の中で何気ない日常会話の一つ一つから英語を肌で感じることができ、正確に伝えられた際はとても嬉しく食事がさらに美味しく感じられました。

写真②タイムズスクエア:ニューヨークで一番人が多かったのはここだと思います。多くのショップがあるだけでなく、路上パフォーマーがたくさんいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真③グランドセントラルステーション:まるで博物館のようですが、ニューヨークで一番大きな駅。中央にある時計はティファニー製だそうです。天井の色もティファニーブルーみたいですが、それは関係ないみたいです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

写真④ニューヨーク自然史博物館:セントラルパークの近くにある博物館で、圧倒されるほど大規模です。すべて回るのに3時間ほどかかりました。途中、何回も迷いました。

 

 

 

 

 

写真⑤オイスターバー:日本で食べるよりも安価でかなり美味しかったです。

 

 

 

 

 

 

 

最後に今回、ニューヨークの学会に参加することによって、研究面で多くの貴重な経験を積むことができましたが、同時に日本という国を飛び出して海外の文化や生活に直接触れることの大切さや楽しさも感じることができました。私は4月から外資系の会社で働く予定であるため、この国際学会での貴重な経験を今後に生かしていきたいと思います。また今回の学会参加を通じて考えていた以上に多くの貴重な経験ができたことから、後輩の皆さんにも積極的に海外の学会に参加してほしいと思います。

本学会に参加するにあたりご支援いただきました山梨工業会ならびに山梨大学大学院特別教育プログラムの先生に深く感謝申し上げます。