資格・進路

ハワイ大留学体験記(2019年12月1日からおよそ1年間)

 博士課程(統合応用生命科学専攻生命工学コース)2年生(2021年3月現在)の廣瀬直樹さんは、2019年12月1日からおよそ1年間ハワイ大学に留学し共同研究を行いました。そこでの留学体験を廣瀬さんに紹介してもらいます。

 初めまして。私は博士課程2年の廣瀬直樹です。昨年12月1日から、ハワイ大学で共同研究を行うため研究留学をさせていただきました。そこでの体験について紹介したいと思います。
 まず、ハワイ大に留学した理由を紹介します。私は海が好きで、ワイキキビーチでのんびり泳ぐため・・・、という理由ではありません。私が行っている研究はクローン技術に関することなのですが、実はクローンマウスを作る方法は「ホノルルメソッド」とも呼ばれており、ハワイ大学で開発された方法なのです。しかもその方法を作ったのが、私の指導教官の若山先生と、当時若山先生の指導教官だった世界的に有名な柳町先生なのです。柳町先生は高齢ですが現在もハワイで研究に力を入れています。そんな環境で自分も研究を進めたいと考えたためハワイ大学に研究留学することにしました。私が留学するタイミングではコロナウイルスが流行する前でしたので留学先の変化を間近で体験した経験を伝えられたらと思います。

 留学開始が12月だったこともあり、日本とハワイの気候差に驚きつつも無事到着しました。到着した後にハワイ大学で教授をされているMonikaさんに学生寮まで送っていただきました。
写真はハワイに到着した初日にMonikaさんが紹介してくれた海が見える崖です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 その次の週に研究室に伺うと柳町先生にお会いすることが出来ました。柳町先生は今でもご自身で研究を続けており、先生の部屋に伺った際には優しくお話をしてくださりました。柳町先生は自分の部屋で魚を飼っており、その繁殖方法が気になるため今はその魚を観察しているそうです。その他にも蚊の研究がしたいため蚊を捕まえてきてほしいと柳町先生に言われている若手研究者もおり、捕まえるのが大変だから柳町先生から逃げているとの話も聞きました。高齢にも関わらず今の若い研究者に負けない力を持っている柳町先生に驚きました。自分も研究に対してのモチベーションを柳町先生に負けないようにしたいと思いました。下記の上の写真は柳町先生と私。下が世界で初めて作られたクローンマウスの剥製です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ハワイでの研究に慣れてきたところで、コロナウイルスの蔓延が始まりました。本来であればハワイ大学で行われる学会や授業に参加することが出来たのですが、コロナウイルスの影響で全てなくなってしまいました。実験に専念することができた一方でそういった交流が減ってしまったのは非常に残念でした。コロナウイルスが広まる前は学校の中での様々なイベントもあり交流があったのですが、去年の3月以降そこで出来た友人と会えることなく帰国となってしまいました。とても残念でしたが帰国する直前に1人の友人と近くの海で釣りをしたことがとても貴重な思い出になりました。下記の上の写真が友人と私で下の写真がハワイで釣れた魚です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この留学中に自分は言葉が上手に話せていないと思うことはたくさんありました。聞き取りもうまくできない時もありましたが実験やデータを出す際には夜中まで研究室に残ってまとめていました。そして時間が空いているときは常に英会話の講座を聞くようにしていました。その効果なのかそれとも1年間ハワイにいたからなのかはわかりませんが、英語で話すことにかなり慣れたと思います。人より時間はかかっていましたが常に全力で実験や研究に取り組むようにしていました。そんな駄目な私を先生や友人が助けてくれることがたくさんありました。そのような先生や友人の助けがなければ今の自分は絶対にないと思っています。ハワイに研究留学して1番良かったことはこのようなたくさんの友人や恩師を作ることができたことです。多くの方々に助けていただいた今回の留学経験を無駄にしないためにもこれからも研究に励みたいと思います。